アイフル被害対策全国会議

東京地方裁判所長 殿

会社更生手続事件記録の閲覧・送付嘱託拒否に対する抗議声明

2006年7月29日

アイフル被害対策全国会議
代 表 弁護士 河野  聡
事務局 弁護士 辰巳 裕規
神戸市中央区東川崎町1−3−3
神戸ハーバーランドセンタービル10階
神戸合同法律事務所内
TEL078-371-0171/Fax078-371-0175
URL:http://www.i-less.net

1.私たちアイフル被害対策全国会議は、消費者金融大手アイフル株式会社の違法取立・不動産担保ローン被害の問題に取り組む学者・弁護士・司法書士・被害者の会相談員などで構成する任意団体です。アイフル株式会社は本年4月14日付で金融庁より全店業務停止の行政処分を受けております。

2.信販会社である株式会社ライフは、アイフル株式会社の子会社ですが、平成12年5月19日に貴庁に会社更生手続開始の申立をし、同年6月30日に更生手続開始決定がなされました(東京地方裁判所平成12年(ミ)第13号会社更生手続開始申立事件)。その後平成13年1月31日付で更生計画認可決定がなされ、同年3月29日に更生手続終結決定がなされております。ライフはアイフルがいわゆる「買収」をすることにより再建を果たし現在も信販業・貸金業等を継続しております。ちなみにライフの会社更生管財人には手続途中よりアイフル代表取締役である福田吉孝が選任されております。

3.ところでライフも会社更生前から現在に至るまで利息制限法を超過する約定利息で貸付を行っており、多くの過払金返還請求がなされております。そして会社更生前の過払金についてライフは更生債権としての届出がないことから免責されるとの法的主張を行っております。
 その法的主張の是非はさておくとして、会社更生前の過払金の返還請求を行うための訴訟資料とするために、また、会社更生管財人福田吉孝の損害賠償責任を追求するための訴訟資料とするために、ライフの複数の顧客がライフの会社更生手続事件記録の閲覧を申請しました。また京都地方裁判所においては係属中の訴訟において文書送付嘱託の申立をし、それが採用されるに至りました(京都地方裁判所平成17年(ワ)第1820号事件における同庁平成18年1月16日付送付嘱託)。ところが貴庁民事第8部は閲覧申請を拒否し、また京都地裁の送付嘱託まで送付を拒絶するという極めて異常な対応をとりました(平成18年1月19日「事件記録の送付について」)。
 閲覧拒否の拒絶処分については、東京高等裁判所において取り消されるに至りましたが(東京高裁平成18年(ラ)第446・454号)、同決定の理由中に過払債権者は「利害関係人に該当する」と判断されているにもかかわらず、これまで拒絶の理由としていなかった「利害関係人に該当しない」との理由で再度閲覧を拒否するに至っております(平成18年(モ)第6590号事件及び平成18年7月14日東京地方裁判所民事第8部裁判所書記官徳原浩彦の処分)。

4.そもそも第8民事部がライフ会社更生事件記録の公開を頑なに拒絶するのか全く理解できません。いうまでもなく会社更生手続は、債権者の債権権について国家が強制的に不利益変更せしめるものですから、免責という重大な不利益を受けた債権者には利害関係人として事件終了後も事件記録にアクセスする権利が認められるはずです。また、裁判所の文書送付嘱託制度は、任意を前提とした手続ではありますが、正当な理由がない限りはこれに応じる一般的責務があるはずです。現に裁判所は民事訴訟手続において公私の団体に文書の送付を嘱託し、ほとんどの場合公私の団体はこれに応じることで円滑な訴訟運営が図られています。日々他の官公庁・団体に協力を求める側の裁判所自身が送付を拒絶することというのは傲慢と評価せざるを得ず、民事訴訟法上の送付嘱託制度を自滅させるものです。文書の取り寄せの必要性は送付嘱託申立を受けた裁判所自体が既に審査しているのであり、それを他の裁判所が送付嘱託を拒絶するなどということは誠に信じがたい対応です。
 東京高裁判決が示すとおり、全ての事件記録の閲覧を一律に否定する必要性・合理性は存在しません。個人のプライバシーや営業秘密に関わる部分などを排除することは当然としても、更生手続係属中に閲覧に供していた部分を開示することは何らの支障もないはずです。しかも閲覧を求めている部分はもとより限定されています。

5.そこで、私たちは本書面をもって東京地裁第8民事部のライフ会社更生事件記録の閲覧・送付を一律に拒否する運用について強く抗議するとともに、速やかな事件記録開示に向けた裁判所長の適切な監督権行使を求めるものです。今後も東京地裁民事第8部が閲覧にも文書送付嘱託にも一切応じないという姿勢をとり続けるのであれば、私たちは国家賠償請求も辞さないことを申し添えておきます。

以    上